2015年12月12日土曜日

NHSロイヤルフリーホスピタル 2日目


冬のロンドンは、曇り空が多く、折り畳み傘が手放せず、風も強く、、、

そして日が暮れるのもとても早いので、 なんとなくどんよりしています。

初めてロンドンに来たのが冬という方はあまり多くいないと思いますが、

そんな方は ロンドンて暗い。。。ってイメージを持つかもしれません。


是非春~夏にかけてのロンドンをお勧めしたいですが、

久しぶりのロンドンで、そんな思いを抱きつつ、

ロイヤルフリーホスピタル2日目が始まりました。



今日も、キースハント氏は、朝からオレンジの明るいTシャツで、元気いっぱい愛情深いハグを
してくれました。 このイギリス人の愛情精神 好きだな~と思ます(笑)

始めに、ゴム手袋を着けた状態での、マッサージをキース氏のお手本のもと、練習しました。

ゴム手袋は医療業務用のS・M・Lの3種類が、各病室の入口に必ず設置されていて、

自由にとることができます。 各病室には、必ず手洗い場と消毒のスペースもあるので、

持ち歩く必要はなく、すぐにその場で捨てられるので、便利でした。





ゴム手袋はかなりぴったりとしていて、

手の大きな私でもSサイズ。日本人だとSでも大きいかもしれません。

圧を加えない優しいタッチで、ゆっくり、心をほぐすような気持でマッサージをしていきます。


余談ですが、このトリートメントルームに掛けてある写真は、京都の写真です!

去年キース氏が来日して京都を観光した時のものだと、とても嬉しそうに話していました。


「日本人はとても素晴らしい。講演中もとても熱心に耳を傾けてくれた。来年のツアーもとても
楽しみにしているよ!」

とお話くださいました。


練習が終わり、実際に患者さんに行うため、病室へ向かいました。

最初に伺った患者さんは、50代の女性で、ベッドに座り、背中のトリートメントを行いました。

私は見学しているだけでしたが、トリートメントの時間、とても静かな落ち着いた表情をされて

窓の向こうの景色を見ていました。15分くらいだったでしょうか。何も会話のない時間でしたが、

彼女の表情は強い意志を持っているようでした。 実はこの日の午後、医師から病状についてお話

しを受ける予定だったのです。 リラックスして医師との面談に臨めるように、マッサージをしてほし

いとの依頼をナースから受けていました。

おそらく、あまりいいお話ではないのかもしれません。そんなニュアンスがあったので、

セラピストも少し長めにトリートメントを行いました。


アロマセラピートリートメントを病院で受ける意味。
ひとつここで感じたことは、
たった15分ではあるけれども、病院にいるということをひと時忘れることができる時間かもしれません。

病院が悪いとは決して言いません。病気を治すために、医師も看護師もスタッフも全力でサポートしています。

ですが、患者さんの本心は、自宅に帰りたい、家族と過ごしたい、という気持ちがあるのも事実。

そして、病棟には独特の匂いがあります。

消毒の匂い、体臭の匂い。

オイルから漂うアロマは、一瞬にしてその空気を変える力があります。

空気を変え、心をほぐし強くする。 アロマセラピーの強みが十分に発揮できているな感じました。



続いて伺った先で、ゴム手袋を着けて、トリートメントを実際に行いました。
93歳というご年齢の女性でしたが、とても表情がかわいらしく、快く私のトリートメントを受けてくださいました。

腕から肩にかけて行いました。この女性は、特に上腕を好むということを伺っていたので、
腕全体をゆっくり時間をかけながらトリートメントを行いました。

すると、うとうとし始めて、頭をうなだれながら眠ってしまいました。

別世界へ連れていくことができるアロマセラピー。。。 素敵ですね。



昨日の見学の際、1人のご老人が、ペーパーをいじっていて、私はふと思いつきました。

そうだ、折り鶴を作って、見学させて頂いた患者さんにプレゼントしよう!と

でも、ロンドンで折り紙なんてどこに売っているんだろう。。。文房具屋さんに行って代用できそうな

カラーペーパーを見つけようと思い、お店に行くと。。。ありました!折り紙が!

とても値段が高かったのですが、思い切って購入。 夜にせっせと10個作り、

この2日目の見学でお会いした患者さんにプレゼントしました。


年配の男性患者さんにプレゼントしたところ、それまで塞ぎ顔だった表情が、一変!

笑顔に変わりました! なんと嬉しい! 日本の文化を伝えながら、そして患者さんの心をほぐす

お手伝いができて、とても幸せな気持ちになりました。








2015年12月9日水曜日

NHSロイヤルフリーホスピタル1日目


NHSロイヤルフリーホスピタル1日目


あさ8時過ぎに滞在先を出て、地下鉄(チューブ)に乗りました。
チューブは、そんなに大きい作りではないので、朝のラッシュ時はあっという間に人が溢れます。
ロンドンの満員電車も、東京の満員電車と変わらないんじゃないかなというくらいです。

2本電車を見送り、いざ満員の中乗り込みました。

久しぶりのチューブ、変わらない匂いがします。
香水の匂いや洋服の洗濯の匂いやチューブの匂い。。。懐かしいです。



ロイヤルフリーホスピタルで行うアロマセラピーは、患者さんの病気を治すことを目的としているものではありません。

治療はあくまでも医師の指示のもと医療従事者が行うものであり、セラピストは補完療法としてアロマセラピーを提供しています。

病院に長く滞在することで、患者さんは精神的に落込み、周りの人間に辛く当たったり、
不安を感じて、或は 諦めから、塞ぎ込みがちになったり、
食欲が出なかったり、夜よく眠れなかったり、

病気と闘いながら、病気以外のマイナス要因とも日々闘わなければなりません。

そして、治療による痛みも、精神的なダメージにつながります。


アロマセラピーは香りを嗅いでもらうことで、脳に直接その作用を届け、
明るい気持ちを取り戻すお手伝いができます。

トリートメントは体の強張りを和らげ、痛みや精神的苦痛を和らげるのに効果的とされています。


どんなセラピストたちが、どんな気持ちで、どのような方法で 患者さんにアロマセラピーを
行っているのか、見学できることを楽しみに、病院へ向かいました。



Northern line のBelsize parkという駅から歩いて10分ほどのところに病院があります。

朝9:30、既に院内は患者さんや付き添いの方、お見舞いに来られる方など
多くの方が出入りされています。

レセプションを通りエレベーターから補完療法チームのオフィスがあるフロアへ。

オフィスへ入る前からとても賑やかな話し声が外まで響いていました。

キャロライン(左)・キースハント(右) オフィスにて

満面の笑みで迎えてくれたのは、20年以上のキャリアを持つ キースハント氏。
私が来るのを待っていてくれました。

到着するなり、笑顔いっぱいの歓迎を受けて、緊張は一瞬でなくなり、
ずいぶん前から知り合いだったかのような、ハートいっぱいの挨拶をしてくれました。

この笑顔と元気を前にすれば、患者さんも笑顔にならずにはいられないでしょう!



初日の今日1日目は、セラピストのキャロラインに付いて10階と9階の病棟を周りました。

病棟へ向かう途中、キャロラインは、患者さんに接するための、衛生面での心構え、
使用するトリートメントオイル、施術時間、携帯する荷物や書類についてなど、
とても詳しく説明してくれました。

その日どの患者さんを施術するかは、予め表に記載されていて、
各フロアに着くと、患者さんの病室や入退院の有無などが記されたボードと照らし合わせて確認します。

初めて施術を行う患者さんには、ナースや担当医から必ず「massage referral form」に記入、サインをしてもらい、患者さんの様子、注意点、禁忌事項などを確認します。

1日に10人~15人くらいの患者さんを施術しますが、
予約していても、その日の体調が思わしくなかったり、気分が乗らなかったり、検査に行かれていたり、寝ていらっしゃったりと、予約者全員をスムーズに施術できるわけではありません。

病棟へ入った際は、必ず手指消毒を行い、患者さんの状態によってはゴム手袋を装着します。

患者さんに会った際は明るく注意深く挨拶を交わします。
毎日接している患者さんですが、その日によって容態が異なるため、表情やしぐさなどから
今日の体調を伺います。

世間話や身の上話をし、患者さんの心をほぐしていきます。コミュニケーションもケアの一つとしてとても大事なことです。 不安や不満があれば、熱心に聞き入り、同調し、トリートメント中も意識的にお顔を見ながら様子を伺います。

この日は、合計5名の患者さんを午前中にトリートメントしました。

トリートメントオイルは、ラベンダー・カモミール・マンダリン のブレンドオイルです。
スイートアーモンドオイルで希釈されています。

部位は、足・腕・肩・背中のいずれかで、
ゆっくり、ほとんど圧は加えず、優しく触れていきます。

気分にムラのある方も多く、お家に帰りたいと落ち込んでいたり、
薬を飲むのが嫌だと不機嫌になっていらしたり、
患者さんの様々な葛藤を感じ取ります。 話相手になるスタンスで行っているようでした。

私はこの日見学のみでしたが、
熱心に耳を傾けるセラピストの姿に感心しました。
トリートメントがメインではあるけれど、それだけではいけない、精神的な面でサポートしていきたい
という気持ちが大切だと思います。


3時間があっという間に過ぎ、キース氏のいるオフィスに戻りました。

またも満面の笑みで、今日の感想を聞いてくれました。

そして、6月に開催予定のIFPA主催ロイヤルフリーホスピタルツアーをとても楽しみにされているとおっしゃって、

ランチ場所となる場所や、講演会のホールなどを案内してくださいました!


スタッフやお見舞いの方が利用されるランチスペース

病院内にある公会堂

なんといっても、病院の雰囲気が良く、医師も看護師も他のスタッフもみなさん笑顔で
セラピストと話していました。
こういう雰囲気は患者さんにも伝わりますよね。

2日目は、実際に私も患者さんへトリートメントを行いました。
次回お話したいと思います。